二人の男の
サムライ精神が詰まった
「雄町8%」の新世界
羽根屋DIAMOND 雄町8%
無濾過生原酒
税込28,600円 500ml
「限定吸水」、「箱麹・蓋麹」…大吟醸と同じ製法を全酒に採用する蔵
大正5(1916)年に富山県富山市で創業した富美菊酒造は、「富美菊」と「羽根屋」の2つのブランドを軸に、新たな伝統となる革新の酒造りに挑戦している酒蔵。
特に全国市場向けの限定製造の特別酒「羽根屋」ブランドが人気で、美しい羽根をデザインしたラベルの日本酒もラインナップ。「羽根屋」という名には、「翼が飛翔するが如く、呑む人の心が浮き立つような日本酒として存在したい」という同蔵の願いが込められている。
富美菊酒造
富山県富山市百塚134-3
大正5(1916)年創業。国内でも珍しい四季醸造を行うのは、作りたての味を楽しんでいただきたいという思いから。古くからある屋号からとった「羽根屋」というブランド名には、「翼が飛翔するが如く、呑む人の心が浮き立つような日本酒として存在したい」という願いが込められている。
富美菊酒造は国内でも珍しい「四季醸造」の蔵である。秋に収穫された米で、冬から春先にかけてお酒が仕込まれるのが一般的だが、春・夏・秋・冬と一年を通してお酒を醸している。酒造りの回数が普通の蔵よりも多い分、さまざまな製造法に挑戦でき、蔵人のスキルアップが図れるので高い品質を保つことができる。
また富美菊酒造は、酒米の原料処理の要である吸水作業において、大吟醸と同じように手間がかかる「限定吸水」という手法を全酒に採用している。これは酒米をザルに小分けして、秒刻みで時間を計りながら手早く引き上げて、微妙な吸水具合を調整する方法だ。
1秒の誤差も許されないので緊張感を伴い、骨が折れる作業だ。通常は鑑評会用の出品酒など、最高級の吟醸酒にのみ用いられる技法だが、同蔵では普通酒以外の全ての酒に、この手間のかかる「限定吸水」を採用している。
さらに吸水後、少量単位で行なう「箱麹・蓋麹」という丁寧な麹処理にもこだわる。これも通常は最高級の吟醸酒のみで用いられる手法だが、全ての酒で実施。非常に手間のかかる酒造りを徹底しているため、製造量を拡大することはできず、同蔵の酒は少数限定品が多い。だが、とびきり旨い。
凍眠生酒のためにわざわざ開発された「羽根屋DIAMOND 雄町8% 無濾過生原酒」は、このように手間と愛情を込めて醸されており、軽やかで透明感のある旨味と、芳醇な余韻を残す味わいで飲み手を魅了する。蔵人たちのこだわりが詰まった芸術作品だ。
さて、日本酒の原材料は米と水と酵母とシンプル。富美菊酒造では全ての原材料で、地元産にこだわる。米は全て富山産を使用、水は日本の名水百選にも選ばれている富山の名水・常願寺川水系の天然水を使う。
そして「羽根屋DIAMOND 雄町8% 無濾過生原酒」など、大吟醸のお酒に使用している酵母は、同蔵の「蔵つき酵母」(昔から酒蔵に棲みついている酵母)を自社で独自に培養したもの。これが華やかで上品な香りを醸し出す。富山の地酒として、唯一無二の「富山テロワール」を存分に表現している。
小規模ながら、強い意志とこだわりを貫き、高品質の酒造りを実践してきた富美菊酒造は、国内外で高く評価されている。2024年には「羽根屋 純米吟醸富の香」が、フランスの日本酒品評会「Kura Master 2024」で純米酒部門1位を受賞した。1,223点中、上位0.5%以内のお酒に授与される貴重な賞に輝いた。
さらに世界最大規模のワイン・酒のコンペティション「インターナショナル・ワイン・チャレンジ2024」のSAKE部門で、「羽根屋純米吟醸富の香」と「ラバーズLoversXO」がゴールドメダルを受賞。「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」でも連続受賞の実績を持つ。
前代未聞!「雄町」の超高精白、8%の限界へ挑戦
凍眠生酒「羽根屋DIAMOND 雄町8% 無濾過生原酒」には、酒米の中でも山田錦とともに高いクオリティを誇る、日本最古の酒米「雄町」が使われている。雄町は濃醇な旨みとふくよかな余韻が魅力。そのどっしりした雄町ならではの味わいに、通称「オマチスト」と呼ばれる雄町愛飲者が存在するほど。
雄町は大粒で心白(米の中心部の白色不透明な部分)が大きく、比較的柔らかいため胴割れしやすい。だから精米歩合40%以上に磨いた雄町のお酒は見かけることがほとんどない。高精米が難しい酒米の一つとして知られているのだ。
しかし「羽根屋DIAMOND 雄町8% 無濾過生原酒」は8%という、前代未聞の精米歩合に挑戦した。海外の酒業界関係者からはさっそく「クレイジー!」と、驚きと称賛の声が寄せられている話題の生酒だ。
4代目蔵元 羽根敬喜氏
萩中智氏
富美菊酒造の代表取締役であり4代目蔵元、杜氏も務める羽根敬喜(けいき)氏はこう話す。「通常の雄町では8%まで磨くことはなかなか難しい。大粒で健全、生命力あふれる、たくましい雄町だからこそ、雄町の限界に挑戦できました。時間をかけて丁寧に、慎重に精米しました」。
羽根氏に8%精米を決意させた、最高の雄町を提供したのが、同年代の米農家、萩中智(さとる)氏だ。二人はモノづくりの同志であり、時には切磋琢磨するモノづくりのライバルでもある。前述の「Kura Master」など、世界的な酒の品評会の受賞酒に使った酒米を栽培したのが、萩中智氏。羽根氏は絶大な信頼を寄せている。
凍眠生酒のために採算を度外視した栽培法に初挑戦!
酒米・雄町を前人未踏の8%まで削らせた男、それが富山県で唯一、雄町を栽培する萩中智氏だ。
萩中氏はもともと飯米(一般用の食用米)の栽培をしていたが、約10年前に富美菊酒造の羽根敬喜氏に出会い、羽根氏の「世界一になる」というロマンに共鳴して意気投合。飯米より栽培が難しいとされる酒米(酒造好適米)の栽培に着手した。
「私は米を作っているのではない、土を作っているのです」と話す萩中氏の米作りは、命を賭した気迫に溢れている。
一般的に飯米の背丈は約120センチメートル、酒米は約150センチメートルが平均とされる中、雄町は背丈が約160センチメートルと高いため、稲が倒れやすい。萩中氏が丹精して栽培した雄町には160どころか180cm近くまで伸びるものもある。
人間の男性身長ほどの稲穂が倒れないように育てるためには、その長身を支えるだけの根っこを地面にしっかりと張る必要がある。強風でも踏ん張れる強靭な力が稲に求められる。「いくら良い肥やしを与えて良い土にしても、良い水を入れても、稲が倒れてしまったら元も子もない。稲は倒れたらおしまい」と話す萩中氏は、凍眠生酒のために採算度外視の大胆な決断をした。
通常、1坪あたり平均60〜70株の稲を植えるところ、萩中氏は株間を広く取り、1坪に30株を植付けたのだ。稲の株数が減れば、当然、収量が減ってしまう。だが栽植密度を減らすことで稲は自然の力でたくましく成長する。根は大地を抱くように広がって命を蓄え、その幼苗は真っ直ぐに天を仰いで伸びてゆくのだ。
圃場は萩中氏が24時間体制で管理し、長年の経験から些細な違和感などがあれば、深夜でもすぐに足を運び、鋭いまなざしで田んぼを見渡しては、自分の手を田んぼに浸して水温などを確認した。
萩中氏は全身全霊で田んぼに向き合い、考えられる全ての策を講じて、万全を尽くした。その結果、8%まで精米できる最高品質の雄町が誕生したのだ。
残暑が去り、天高くなると、穂揃いした圃場には驚くほど美しい光景が広がった。稲穂が実る前の限られた時期だけ、雄町の穂先には白いひげのような突起が現れる。稲先で輝く、白い綿毛のようなふわふわとした穂は、初秋の風に揺れながら緑の大地とともにきらめく。その神々しい光景に、萩中氏も羽根氏も言葉を失った。そして信じられないレベルの雄町が実りつつある予感を、二人は震えながらかみしめていた。
その後ほどなくして稲の籾(もみ)が成長し、稲穂が次第に垂れ、稲は緑から黄金色へと変化した。雄町がたわわに実った。
「初挑戦の栽培法だったが、雄町の可能性に賭けてみたかった」と、できあがった凍眠生酒の美酒を前に、萩中氏は瞳を少し潤ませながら語る。萩中氏のすさまじい熱意は、羽根氏の酒造りの魂を激しく揺さぶり、すぐに蔵人たちの情熱を燃え盛らせた。
羽根杜氏が冬場の仕込み時に、夜中でも数時間置きにタンクの発酵具合を確認しに行く姿は、萩中氏が1日に何度も田んぼに様子を見に行く姿と重なる。丹精込めてモノづくりに打ち込む二人の精神性は、まさにサムライ・スピリット。お互いを本気にさせる相手が目の前にいたからこそ、世界の人々に感動を与える唯一無二の凍眠生酒が誕生した。
精魂込めて育てた雄町の良さを最大限に生かした「羽根屋DIAMOND 雄町8% 無濾過生原酒」の化粧箱は、ダイヤモンドのように八角形。風水において8という数字は、良き運を引き寄せる末広がりのラッキーナンバー。中国や香港、台湾、シンガポールなどで縁起のいいギフト物としても活躍するだろう。
まるで万華鏡のように、箱のどの角度から見てもきらめく羽根が舞う、一期一会の入魂の凍眠生酒。ぜひ二人の男のサムライ精神を五感で味わって欲しい。
取材・文:滝口智子
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税込28,600円 500ml
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